Q:
夫が特定の女性と不倫しているようなので、相手の女性に慰謝料を請求したいと思っているのですが、できるでしょうか?

A:
法律上、ご主人が不倫をした場合、奥さんはご主人の不倫相手に慰謝料を請求することができます。
「不倫」というのは、男性が既婚者であると知っているにもかかわらず、男性と肉体関係を持った場合のことを言います。相手の女性が、あなたのご主人と一緒に出かけたり、メールや電話などで連絡を取り合ったりするだけでは、法律上は「不倫」とは言えませんので、慰謝料を請求できないのが原則です。
相手の女性が、あなたのご主人が既婚者であると知りながら、ご主人と肉体関係を持った場合に、相手の女性に対して慰謝料を請求することができます。

Q:
女性が、夫と連絡をとったりはしていたが、肉体関係は持っていないと言ってきた場合には、慰謝料は請求できないのでしょうか?

A:
女性があなたのご主人と肉体関係をもっていたという証拠がある場合には、裁判を起こして慰謝料を請求することができます。

Q:
どのようなものが肉体関係を持っていたという証拠になりますか?

A:
女性とあなたのご主人がホテルに行っていたことがわかる写真や領収書があれば、肉体関係を持っていたことの証拠になります。
また、あなたのご主人が女性の家に行って、数時間女性の家に滞在していたことがわかる写真も証拠になります。

Q:
メールは証拠にならないのですか?

A:
肉体関係の存在を疑わせる内容のメールは、証拠になる場合もあります。
しかし、メールは、当事者が自由に書ける内容なので、メールの内容が真実なのかがわからないという理由で、証拠として認めてくれない裁判官もいます。

Q:
肉体関係を持っていたという証拠がない場合には、女性に慰謝料を請求することは絶対にできないのですか?

A:
肉体関係の存在を証明できない場合でも、ご主人と女性のかかわり方の内容次第によって、配偶者であるあなたを傷づけたという理由で、慰謝料が認められることもあります。
ただ、肉体関係の存在を証明できた場合と比べて、慰謝料の金額は低くなってしまいます。

Q:
慰謝料を請求する場合、どのようにして請求すればよいですか?

A:
まずは内容証明郵便を送って、お話し合いからスタートすることが多いです。内容証明郵便は、ご自分でも送ることができますし、弁護士に依頼して弁護士から送ることもできます。
内容証明郵便を送っても解決できない場合には、裁判を起こして請求することになります。

Q:
慰謝料を請求する場合、どのくらいの金額を請求できるのでしょうか?

A:
慰謝料は、心の傷を慰謝するものなので、その方のお気持ち次第です。請求する方によって金額は変わってきます。いくらまでしか請求することができないという決まりもありません。
ただ、裁判となった場合には、100万円から300万円くらいの金額が認められることが多いです。金額に幅があるので、それぞれの方のご事情によって変わってくるからです。
例えば、婚姻期間の長さが長ければ長いほど、慰謝料の金額が高くなる傾向があります。
また、不倫の交際期間が長かったり、不倫によってあなたとご主人が離婚することになってしまった場合には、慰謝料の金額が高くなる傾向があります。

Q:
内容証明郵便を送っても解決できない場合、最終的には裁判をすることも考えなければいけないと思っていますが、やっぱり裁判になった場合には、自分ではできないですよね?弁護士さんに頼んだ方がいいですよね?

A:
裁判は、弁護士に頼まなくてもご自分ですることができます。
しかし、裁判は、口頭で言いたいことを裁判官に伝えるという制度ではなく、言いたいことを書面にまとめて、書面で主張するという制度になっています。そのため、書面をご自分で書くのはなかなか難しいという場合には、弁護士に依頼した方がよろしいかもしれません。
他にもわからないことなどありましたら、お気軽にご連絡ください。

(9月28日放送)