Q:
私は、結婚して5年になる20代後半の主婦です。去年くらいから、夫から離婚してほしいと言われています。まだ2歳の子どもがいるので、養育費などの条件次第では、離婚に応じてもよいと思っているのですが、夫と条件についての話し合いがまだできていないので、離婚届にサインはしていません。
①今後、何か気をつけた方がいいことはありますか?
②また、今後、主人と話し合いをしても意見が食い違って、私たちだけでは話し合いがまとまらない場合、どうすればよいのでしょうか?

A:
離婚するというお気持ちは、ご主人と一致しているということですね。
まず、①の「今後、何か気をつけた方がいいことはありますか?」という1つめのご質問についてですが、まだ離婚の条件についてのお話し合いができていないということですので、離婚届にサインをするのは、離婚の条件が決まった後にしてください。

まず、ご主人が勝手に離婚届を役所に提出してしまわないように、役所に離婚届不受理申出書を提出されることをお勧めします。提出先は原則として本籍地の役所ですが、本籍地以外の役所に提出することもできます。

次に、離婚の条件についてですが、口頭で約束するだけではなく、書面で約束するようにしてください。書面の場合、条件を書いた離婚協議書という書面にお二人それぞれ署名・捺印するという方法もありますが、公正証書の作成をお勧めします。
公正証書というのは、公証役場で作ってもらった書面にお二人がそれぞれ署名・捺印する書面です。公正証書の場合、もし途中で養育費を支払ってもらえなくなった場合、ご主人のお給料や財産などを差し押さえることができます。

次に、②の「お話し合いがまとまらない場合どうすればよいでしょうか?」という2つ目のご質問についてですが、その場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。
以前にも調停について簡単にご説明したことがあったかもしれませんが、調停というのは、裁判所で行うお話し合いのことです。裁判は、裁判官が判決を出して決めるものなので、裁判と調停は全く別のものです。
調停では、直接ご主人と顔を合わせてお話し合いをするのではなく、第三者的な立場である調停委員を介してお話し合いをすることになります。公平性の観点から、調停委員は男性の調停委員1名と女性の調停委員1名の合計2名で構成されています。
相手に伝えたいこと直接相手に伝えるのではなく、伝えたいことを調停委員に伝えると、それを調停委員が相手に伝えてくれます。相手の言い分は、相手から直接聞くのではなく、調停委員から教えてもらえます。
調停をした結果、ご主人と条件についてのお話し合いがまとまると、裁判所で調停調書を作ってもらえます。調停調書には、離婚の条件が書かれていて、公正証書と同じように法的な効力があります。もし養育費についてきちんと約束したにもかかわらず、ご主人がそれを守らなかった場合には、公正証書と同じように、ご主人のお給料や財産などを差し押さえることができます。

ただ、最初にお伝えしたように、調停は裁判とは別のもので、裁判所で行うお話し合いです。そのため、調停の場でもご主人と意見が合わない場合には、調停で解決することはできません。その場合には、裁判や審判などで、裁判官に決めてもらうことになります。
裁判所は、ご夫婦のそれぞれの収入を参考にして、養育費の金額を決めます。そのため、ご主人の収入がどれくらいあるのかを事前に知っておいた方が、後から養育費の金額を決めてもらいやすくなります。

(11月2日放送)