「たまログ12月号」

Q:
私の夫は来年定年退職です。これまでに離婚しようと思ったことは何回もありましたが、子どもが独立するまでは・・・と思って、我慢してきました。娘も独立して落ち着いたので、真剣に離婚を考えています。
離婚となった場合、夫の退職金も財産分与の対象になるのでしょうか?

A:
ご夫婦が婚姻中に協力して蓄財した財産は、名義にかかわらずご夫婦の共有財産となりますので、財産分与の対象になります。
例えば、ご夫婦の預貯金や不動産などです。すでにご主人に退職金が支給されている場合には、退職金も財産分与の対象になります。

しかし、まだ退職金が支給されていない場合には、ご主人の勤務先の経営状態やご主人の退職時期などの不確定な要素によって、退職金が支給されるか左右されますので、財産分与の対象になるかについては個々のご事情によって変わってきます。
退職金が支給される時期が迫っていて、支給される可能性が高い方が、財産分与の対象になる可能性が高くなります。

まだ退職金が支給されていない段階で財産分与の対象とする場合には、財産分与の対象とする金額をどのように算出するかについてもいくつかの考え方があります。
①離婚時点で任意に退職すれば支給されるであろう退職金の額を財産分与の対象とするという考え方、②将来支給されることを条件として財産分与の対象とするという考え方、③将来の退職金の額自体を現時点で財産分与の対象とするという考え方などがあります。